腰痛の原因

体の奥深くに存在し、腰痛のカギを握る重要な筋肉群。
それが私が着目している「腸腰筋」です。

腰痛の多くは、この「腸腰筋」という筋肉の疲労によって起こる症状と考えられます。 つまり「腸腰筋症候群」なのです。

「腸腰筋」とは、骨盤の前方にある筋肉の名称で、「大腰筋」と「腸骨筋」と2つの筋肉が 合流したものです。これらの筋肉は、体の中枢を支える重要な役割をすると同時に歩くとき に使用する大事な筋肉です。この筋肉にストレスがかかり、疲労するために腰痛が発生してしまうのです。

「腸腰筋」が疲労するとどうなるか。

いきなり慣れないスポーツや引っ越しなどで力仕事をしたりすると、たいてい翌日か翌々 日には筋肉痛に襲われます。腕や太ももなどの筋肉がパンパンに張り、硬くなって痛みやだるさを感じることでしょう。また、長時間に渡って同じ姿勢を取り続けていると、筋肉が疲弊し、腰や背中の痛みや肩こりが起こります。筋肉は疲れてくると腫れて硬くなっていきます。すると筋肉細胞に栄養を届ける血管が圧迫され、血行不良が起こります。そのため筋肉細胞にたまった疲労物質を運び去ることが出来ずますます疲れがたまってくるのです。こうした悪循環が続くと疲労はどんどん重くなっていき、慢性的な痛みが起こる、というわけなのです。

特に体の深部に位置する腸腰筋の内側には、腰から下を受け持つ大切な神経が走っており、 この神経が刺激されると、それが腰、膝、股関節などの痛みとして現れるのです。 また、腸腰筋が疲労して思い通りに動かせなくなると、体は無意識のうちに他の筋肉で補おうとします。そのために腰回りの筋肉全体に負荷がかかり、疲労し、「なんとなく腰が重い」ということになってしまうのです。

腸腰筋は、他の筋肉と違って体の奥深くにあるため、直接手で触れることができません。指圧やマッサージなどのケアも行えない上、痛みの場所を認識しにくいため、腰や足の付け根など全く違った場所の痛みとして感じてしまったりします。

こうした特性のためこれまでほとんど注目されることのなかった腸腰筋。ところがこの腸腰筋をきちんとケアできると、どんなに重度のものでもたいていの腰痛はキレイさっぱり解消してしまうことが判ってきました。

原因不明の腰痛の多くは、この腸腰筋が握っている・・・というのが6000例以上の施術 経験から導かれた答えです。痛みの根本の原因である腸腰筋の疲労を鎮めることが、痛みの解消につながっているのです。